倒産処理には「再建型」と「清算型」がある
倒産処理手続きとは?
倒産の声が聞こえてきた会社はいわば病気の会社です。
病んでいる会社に対してどんな治療を施すのかということが次の問題です。
この治療方法のことを広く「倒産処理手続き」と呼びます。
倒産処理手続きは、裁判所を通した手続きである法的手続きと、裁判所を通さない私的手続きに分けることができます。
そのうえで、法的手続きと私的手続きはそれぞれ、危機に瀕した事業者や会社を立ち直らせることを目的とした再建型の手続きと、最終的に消滅させることを目的とした清算型の手続きに分かれます。
私的な手続きの代表が任意整理
私的手続きは、任意整理や私的整理と呼ばれます。この手続きは裁判所を通さない、あくまでも関係者の同意にもとづくソフトな手続きですから、ロスも少なく柔軟な対応が可能です。
再建型としても清算型としても、どちらにも利用可能な方法です。
「可能であればなんとしてでも私的手続きを第一に考えたい」というのが経営者・関係者の一致した希望でしょう。
しかし、会社の体質がどの程度まで悪化しているのか、また、その原因がどのようなものか、改善の可能性はあるのかなど、実現の度合いは会社ごとにおのずから決まってきます。
結局、私的整理は経営者の強い願望と関係者の意見が、どの時点で合意に達するかにかかっているといえるでしょう。
法的手続きはさまざま
法的手続きにもいろいろあります。再建型の手続きとしては、
①特定調停、
②民事再生、
③会社更生があり、
順に、法的な規制がより厳しくなっていきます。
また、清算型の手続きの代表としては、
①破産があります。
このほか、自らの意思で事業を終結させるには、
⑤通常清算という手続きもあります。
どの手続きを選択するかは、会社が置かれている状況と経営者の意思によるでしょう。
事前に倒産することを知らせておく
倒産を打ち明けるべき相手とは?
会社を倒産させると決心した場合、そのことを誰に、いつ打ち明けるかというのは、非常に迷うところです。
ただ、会社が倒産すれば、多くの関係者たちには迷惑をかけ、大きな負担を背負わせることになります。
そのため、倒産を打ち明けるべき相手とタイミングは慎重に選ばなければなりません。
協力を得ることが必要な相手には知らせておく
これからは苦しい状況に置かれるわけですから、まずこの状況を打ち明ける相手を選ぶ基準としては、今後も協力してほしい人、力になってくれそうな人であるかということです。
当然ですが、家族には必ず事前に打ち明けておくべきでしょう。
倒産後、もっとも不安になり、経済的にも精神的にも苦労させることになるのは、やはり家族です。
そのため、家族とはこれからの生活がどうなるのかということも踏まえて、きちんと話し合いをしておく必要があります。
また、今後なんらかの形で事業を再起させるつもりでいるなら、とくに家族の協力は絶対必要になります。
会社の従業員についても、誰に打ち明けるかというのは非常に悩むところです。
あまり考えずにいろんな人に知らせてしまうと、どこからか話しが漏れて関係会社や知られたくない人の耳に入ってしまうのではないかという不安もあります。
しかし最低限、役員や幹部に対しては打ち明けておく必要があります。
倒産の事実を知った後は態度を変えて離れていく従業員も出てくるかもしれませんが、事後処理も含めて事業再建に向けて従業員の協力は必要になります。
そして取引先や関係会社についてもできる限り事前に連絡をしておきたいところです。
謝罪とともに今後も誠意をもって対応していくこと、そのために協力をしてもらいたいことを伝えておかなければなりません。
再生をめざした倒産処理手続き
再建型の手続きにはどんなものがあるのか
再起・再生させることを日的とした倒産処理手続きには以下のものがあります。
①民事再生
裁判所の監督のもとで債務の減額あるいは弁済期間を調整する手続方法です。
株式会社に限らず合名会社、合資会社、個人、個人事業者も利用することができます。
また、民事再生では、経営者は退陣せずに引き続き経営を行なうことができます。
なお、個人や個人事芋王には個人民事再生という簡単な手続きが用意されています。
②会社更生
経営状態は窮地に陥っているものの再建の見込みがある会社に対して、債務の返済などの更生計画を立て、経営を維持させていく処理方法です。
会社更生手続きは株式会社のみが対象であり、原則として経営者は退陣する必要があります。
③再建型の任意整理
債務の弁済や期間について、債務者と債権者の双方の話し合いによって債務の返済額や返済期間を調整するもので、もっともよく利用されている処理手続きです。
任意整理を行なうこと自体に費用はかかりませんが、これを経験のない個人が行なうのはむずかしく、たいていは債務者に依頼された弁護士や司法書士が債権者と話し合い、調整します。
④特定調停
任意整理と同じく、債務の弁済や期間を債務者と債権者との話し合いによって調整する処理手続きです。
ただ、任意整理とは異なり、特定調停を申し立てると、債権者による取立てが止まるというメリットがあります。
特定調停では、裁判所が選んだ調停委員が債務者と債権者の間に入り調整を行ないます。
調停委員が主導で調停を行なうので、法律に詳しくない人でも気軽に利用することができます。
裁判所が関与するという性質上、当事者同士で合意が成立しやすいという特長があります。